My Math

画像は表示されませんでした

数学という世界は奥が深く、簡単に評価でき得ない。 一方で、一部では「かずだけを学ぶもの」として誤解され、また一部では計算の諸法則を与えるだけの無味乾燥なものとして疎んじられている。 その所以は、数学を嗜む心が失われているからではないか。 有用すぎるが故に、目的としてより手段としてのみにばかり注目されるようになったからではないのか。 そして、私自身も世間に関わるようになり、悪酔いをしたためか危うくそのようなくだらぬ考えに陥りそうになった。 今こそ、手段でなく目的としての数学に立ち帰るべきではないか。 そう考えた私は単に手段になり下がってしまった数学を「たしな」み、自らの手で目的へ昇華させようと「ケツイ」を固めた。 たとえ、それがどのような困難な道であっても、数学の世界を納得できるまで自分の足で踏みしめて進んで行く。 それがこの取り組みを始めようとした最初の動機であった。 ところで、数学といえど、それは傍から見れば、自然科学の文法のようなものである。 したがって、文法を張り詰めて研究したからとて何か得るものがあるのか、という反論は止むをえまい。 しかし、自然言語の無味乾燥な文法法則から垣間見える先人たちの知恵・文化・心といったものを享受できる可能性は否めない。 すなわち、それはまるで日本語や英語、仏語の文法を研究していくことと類しており、 それにより日本人や英人、仏人の思考や感性に触れられる、という似たような現象が起こり得ると考えることは全くの的外れである、というわけにもあるまい。 最後に、この試みが私の脱手段化・目的化という自身の最終目標へと拡張することを切に願う。

第0章:指数関数再考

数学を嗜むために、まず周知の実例を用いようと試みた。 何等かの数学的現象を一部切り取ることで大局の数学を俯瞰することができるのではないか、と考えたためである。 私は兼ねてから興味のあった指数関数に焦点を当てることにした。 指数法則を定義とすることができるのか、について前に生徒と議論したことがあったためである。 幸運なことに、数学の世界観を感じるという兼ねての目的は達成された。 具体的には、抽象化という操作の有用性及びそれが要請する作業である。 抽象化することで、各々の現象について再度記述する必要はなくなる。 さらに、その副産物として全く異なる挙動をしている二現象に関して類似性を見出し抽象化することで、新たな知見を得ることができる潜在性を手にすることができる。 一方で抽象化作業は、抽象化後に再度その抽象化前の具体例が抽象化した記述で適用可能かを確認しなければならない。 さらに、自身のアイデアで、ということをモットーにこの章を書ききった。 ときに、後輩であるK.M君や元同期であったY.I君に誤りなどを指摘いただいたことをここに記し、謝辞の代替とさせて頂く。

まえがき
第0節: ガイダンス
第1節: 指数の拡張
第2節: ネイピア数
第3節: 対数函数

※第1節に関して2021/12/09訂正済

第1章:無限級数

何よりもまず無限である。 無限(の和)とは何か、これは現代数学が取り扱った非常に難解な話題の一つであった。 なぜならば、直観では及び得ない境地を問題にしているからである。 では、数学の中で与えられている場でこれを考えるにはまず無限に足し合わせる対象そのものを考えなくてはならない。 それはつまり実数である。 実数への考察を抜きにして、無限和を考えることはまるで麦抜きの麦茶を飲することに等しいであろう。 とはいっても実数そのものの構成から始めるのでは、議論が牛歩になりかねず、読者も著者も多大な途方に暮れかねる結果が容易に想像できる。 ここの本当に重要な部分に関しては後に挙げる偉大なる先人たちの書にお任せして、私は特に面白そうな話題を取り上げることを優先した。 とはいっても本書のテーマはぶれることがないよう、重要な部分に関しては詳細な証明を付したつもりである。 とにもかくにも、無限へのVoyageは留まることを知らず、それこそ無限なのである。

まえがき
第0節: ガイダンス
第1節: 極限と無限和
第2節: 平均値の定理
第3節: テイラーの定理
第4節: 初等関数
第5節: 一様収束

※原稿は予定(第2章を優先して進めている。)、まだダウンロード不可

第2章:位相空間

概念の拡張、抽象化という作業に関しては第0章で嗜むことができた。 すると自動的に、これまで慣れ親しみすぎた座標空間に関して抽象化しようとする意欲が芽生えてくる。 そこで先人の知恵に乗っ取り、集合で厳密に定義された位相空間に思いを馳せることでその欲望を満たそうと考えた。 座標空間を抽象化するには、まず拡張するべき座標空間そのものを探求しなければならない。 そこでは、一つはその空間内の点と点の距離、もう一つはその点に対する作用(または計算)の2つの話題が見えてくる。 前者が位相空間に、後者が線形代数、代数に繋がってくる話題である。 まず、第2章では位相空間について取り上げる。最終的な目標は抽象化した位相空間において、中間地の定理及び最小値・最大値の定理を証明することにある。 やや難解で敬遠されがちであるが、それはイメージによる欠如によるものではないかと私は考えている。 そこで、私のイメージを図(ユークリッド空間の場合)に落とし込み、説明することを心掛けた。 この位相空間を学習したのちに、集合に与える位相によって結果が変わり得ることを体験した諸君は直ちに、個人それぞれに価値観が異なっていることを直ちに理解されるだろう。 そして、その経験は諸君に新たな個性を与えることになろう。 「個人あって経験あるにあらず、経験あっての個人ある。」のであるから。

まえがき
第0節: ガイダンス
第1節: Euclid位相
第2節: 一般的な位相空間
第3節: 対数函数
第4節: 位相の強弱と生成
第5節: 誘導される位相
第6節: ハウスドルフ空間と分離公理
第7節: 連結
第8節: 弧状連結
第9節: コンパクト

※第1節に関して2022/01/23訂正済

※第2節に関して2022/01/24訂正済

※第3節に関して2022/01/30訂正済

※第4節に関して2022/02/06訂正済

※第5節は予定、まだダウンロード不可

参考文献

  • 「解析学入門」(杉浦光夫)
  • 「集合・位相入門」(松坂和夫)